従量電灯とは?ABやBCの違いを詳しく解説

従量電灯とは?

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「従量電灯って何?」
「従量電灯BとCの違いは?」
「従量電灯の電気代は高い?」

引っ越しなどで電力会社のプランを見ているとき、従量電灯A・Bや、従量電灯B・Cなど種類があり、どのような違いがあるのか気になる人が多いのではないでしょうか。

柴田 今日子
柴田 今日子

東電や多くの地域は従量電灯A、関西・中国・四国電力は従量電灯Bが一般家庭向けの標準プランです。

本記事は、従量電灯という料金プランの仕組みやアルファベットによる違いを解説します。

地域によって従量電灯A・B・Cの内容も異なり、遠方に引っ越す際に特に注意が必要なので、ぜひ参考にしてください。

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従量電灯とは使用量によって電気料金が決まるプラン

従量料金とは?

従量電灯プランの従量とは「量に従う」という意味で、電気の使用量によって料金が決まる方式です。

主に、東電や関電などの大手電力会社が提供しており、多くの人が契約している標準的な電気料金プランになります。

電気を使う量が少ないほど、割安な単価が適用される仕組みです。

大手電力会社の従量電灯プランは、セット割引やポイント付与の対象外で、シンプルな電気代のみの料金プランです。

電力自由化前は大手電力会社のみ従量電灯プランを提供していましたが、現在は一部の新電力会社も従量電灯というプランを提供しており、大手より単価が安かったり特典が付与されていたりと様々なプランがあります。

従量電灯ABCなどのプランを検討している人は、ぜひ新電力の従量電灯プランもチェックしましょう。

従量電灯B・Cの違い

大手電力会社従量電灯B従量電灯C
東京電力10~60A6~50kVA
北海道電力10~60A6~50kVA
東北電力10~60A6~50kVA
北陸電力10~60A6~50kVA
中部電力10~60A6~50kVA
九州電力10~60A6~50kVA

従量電灯BとCの違いは、従量電灯Bは一般家庭向け、従量電灯Cは主に商店など事業者向けのプランで、電流の最大容量(アンペア数)が異なります。

同時に使う家電のアンペア数を合計し、十分な容量を契約しましょう。

一般家庭なら10~60Aで十分なケースが多く、北海道・東北・東京・北陸・中部・九州電力なら、従量電灯Bが該当します。

戸建て・大型住宅・オール電化住宅などは、より多くの電気を使えるよう、A(アンペア)より大容量の6~15kVA(キロボルトアンペア)を目安に検討しましょう。

沖縄電力は、従量電灯というプラン1つだけなので、迷う心配がありません。

契約アンペア数の目安は?

賃貸の一人暮らしなら30A、2~4名の家族世帯なら40~50A、4人家族で戸建てに住む場合は60Aを目安に検討してください。戸建ての大型住宅やオール電化住宅は、6~15kVA程度あると安心です。契約アンペア数を下げるほど、電気の基本料金を節約できますが、下げすぎるとブレーカーが落ちる可能性があります。

従量電灯A・Bの違い

大手電力会社従量電灯A従量電灯B
関西電力10~60A6~50kVA
中国電力10~60A6~50kVA
四国電力10~60A6~50kVA
東京電力5A10~60A

従量電灯Aと従量電灯Bの違いは、家庭で同時に使える電流の最大容量(アンペア数)です。

一般家庭なら10~60Aで十分なケースが多く、関西・中国・四国電力なら、従量電灯Aが該当します。

上記3エリアは、アンペア数を下げても基本料金が変わらない「最低料金制」の場合が多いため、契約アンペアはあまり気にする必要がありません。

アンペア数を指定しなければ、前の入居者が契約したアンペア数が引き継がれる場合が多く、部屋の広さに適した容量で契約できます。

最低料金制とは?

最低料金制は、契約アンペア数に関わらず、固定額の最低料金が設定されている料金体系です。ひと月に使った電気の量が最低料金の上限以下なら、最低料金のみの支払いで済み、超過分があれば超過分の使用量に応じて単価が決まります。最低料金制は、主に関西・中国・四国電力エリアで採用される方式です。

従量電灯と他プランを比較

従量電灯は、電力自由化前から存在する標準的なプランでありながら、国から規制された特殊な料金プランでもあります。

電力会社が自社で自由に料金設定できず、電気料金の一部である「燃料調整費」にも上限設定があり、燃料調整費が上限を超えても超過分の請求がありません。

また、ひと月の電力使用量に応じて、3段階で単価が設定されるという特徴があります。

電気料金プランは規制料金と自由料金がある

電気料金
プランの種類
特徴
規制料金・従量電灯A/B/Cなど
・燃料調整費の上限設定あり
・料金変更時は国の認可が必要
自由料金・電力自由化以降に誕生したプラン
・燃料調整費の上限設定なし
・電力会社が自由に料金変更可能

全ての電気料金プランは、規制料金と自由料金のいずれかに分類され、大手電力会社の従量電灯は規制料金に該当します。

規制料金は、電気料金の変更時に経産省の許可が必要ですが、自由料金は各社が自由に料金設定できます。

また、規制料金は燃料調整費に上限がある一方、自由料金の大半は2022年の燃料調整費高騰を機に上限を撤廃しました。

大手電力会社は、規制料金の従量電灯のほかに自由料金も提供しており、例えば東京電力ならスタンダードSが自由料金に該当します。

燃料調整費の上限があると安心という理由で従量電灯を選ぶ人もいますが、関西電力エリアを除き、燃料調整費は上限をかなり下回っています。

燃料調整費とは?

燃料調整費は、電気料金の一部で、毎月金額が変動します。2022年、世界情勢の変化により燃料調整費が高騰しました。翌年、多くの電力会社で燃料調整費の計算方法が見直されたため、関西電力エリア以外は燃料調整費の上限を下回っている状況です。

従量電灯プランと市場連動型プランの違い

プランの
タイプ例
特徴
従量電灯・電気料金の単価が事前に決まっている
・燃料調整費によって毎月料金が微動
市場連動型・電力が取引される市場での価格に応じて単価が決まる
・30分単位で電気料金単価が変動するプランもある

電気の料金体系は、従量電灯のように決まった単価と電気を使った量で料金を計算するタイプの他、市場連動型プランのように単価が変動するタイプもあります。

市場連動型プランで代表的なLooopでんきの場合、日本で唯一電力が取引される日本卸電力取引所(JEPX)での取引価格が反映されるため、電気料金単価は30分ごとに変動するのが特徴です。

Looopでんきで、電気料金単価が安い時間帯に合わせて電気を使うピークシフトに取り組むと、個人の工夫によって電気代を下げられます。

従量電灯の場合、節電しか電気代を安くする手段がありませんが、Looopでんきならピークシフトと節電という2つの手段で電気代を下げる工夫ができます。

Looopでんき
Looop
でんき
詳細情報
提供エリア全国
離島など一部除く
電気料金エリア毎の料金確認
初期費用0円
支払方法クレジットカード
解約費用0円

Looopでんきは、株式会社Looopが提供している電力サービスで東日本大震災をきっかけに2011年に設立されています。

株式会社Looopは非上場企業ですが、多くの電力会社と関係を強めており、今後さらに注目を集めるでしょう。

供給エリアは離島など一部を除き全国です。

Looopでんきがおすすめな理由
  • 基本料金が安い
  • 安い時間に使えば節約できる
  • 使用量が家庭多いほど安く利用できる

Looopでんきの乗り換えた人のほとんどが、電気料金が安くなったと実感するサービスです。

料金の安い時間帯に多く使用すれば、電気料金を大幅に抑えることができますよ。

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従量電灯の電気料金計算方法

従量電灯の料金計算の仕方
従量電灯の
計算例
(東電 従量電灯B
料金単価30A契約で
月500kWh使用時
基本料金
(10Aごと)
311.75円311.75円×3=935.25円
電力量料金
1段階
~120kWh
29.80円29.80円×120=3,576円
第2段階
120~300kWh
36.40円36.40円×180=6,552円
第3段階
300kWh~
40.49円40.49円×200=8,098円
燃料調整費
(2025年8月分)
-7.25円▲7.25円×500=▲3,625円
再エネ賦課金3.98円3.98円×500=1,990円
合計金額17,526円

従量電灯の料金は、基本料金または最低料金と、電力量料金・燃料調整費・再エネ賦課金の単価に使用量を掛けた金額の合計額です。

東京電力の従量電灯Bの場合、契約アンペアに応じて基本料金が決まるため、10アンペアの金額を3倍して935.25円です。

電力量料金単価は、ひと月の使用量が多いほど割高になる仕組みで、各段階の使用量と掛け算されます。

電力量料金は、第1~3段階の金額を合計します。

燃料調整費や再エネ賦課金の単価は、使用量に関わらず一定なので、そのまま電気を使った量と掛け算します。

政府の補助金や電気ガスセット割などの適用があれば、忘れずに計算し、最後に全て足し合わせると電気料金を計算できます。

再エネ賦課金とは?

再エネ賦課金は、太陽光発電や水力発電など、再生可能エネルギーによる発電を普及させるための費用です。国が1年ごとに価格を設定し、電気を使う人は使用量に応じて支払う義務があります。

大手の従量電灯より安い電気料金プラン

従来の大手の従量電灯プランより、新電力の自由料金プランの方が電気代が安くなりやすいためおすすめです。

従量電灯は、電気を使う量が多いほど割高になる仕組みなので、大家族ほど自由料金プランを検討しましょう。

自由料金プランを提供している新電力は数百社ありますが、中でも電気料金の安さに定評があるのがCDエナジーやオクトパスエナジーで、大手で信頼性も高い新電力です。

東電エリアはCDエナジーがお得

CDエナジーダイレクト

東京電力エリアで、東京電力の従量電灯と類似した電気料金プランを選びたいなら、CDエナジーダイレクトがおすすめです。                                                                                                                                                                                                                                       

料金体系が東京電力の従量電灯とほとんど同じで、基本料金や電力量料金が安い分、東京電力より安く電気を使えます。

料金プランも豊富で、自宅の電力使用量に合わせて最適なプランを選べます。

cdエナジーダイレクト公式
CDエナジー
ダイレクト
詳細情報
供給エリア東京電力区域内
初期費用0円
支払方法クレジットカード
口座振替
解約費用0円
※一部プランを除く

CDエナジーダイレクトは、中部電力ミライズと大阪ガスが50%ずつ出資して2018年に設立されました。

電気の提供エリアは東京電力管内のみですが、独自のポイント制度などが利用者から評価されており、2024年時点の契約実績は70万件(取次事業者の獲得も含む)を突破しています。

CDエナジーがおすすめな理由
  • 電気の使用量がわかりやすい
  • プランが豊富にある

CDエナジーの標準的なプラン「ベーシックでんき」と、東京電力の自由料金の標準プラン「スタンダードS」を比べると、基本料金と電力量料金はCDエナジーの方が安いです。

料金プランも従量制からオール電化住宅向けまで多種多様に用意されているので、世帯人数やライフスタイルを問わず契約できるのが魅力です。

電気+ガスのセット割で、一般家庭向けのベーシックガスプランは0.5%割引になるなど、お得な電力会社です。

\首都圏で人気/

その他エリアはオクトパスエナジーがおすすめ

オクトパスエナジーのグリーンオクトパスというプランも、大手電力会社の従量電灯に類似した料金プランで、電気代が従量電灯より安いためおすすめです。

さらに、大手電力会社から供給される電力と違い、再生可能エネルギーによって発電されたクリーンなエネルギーを使えます。

オクトパスエナジー
オクトパスエナジー詳細情報
提供エリア全国
沖縄と離島を除く
電気料金料金確認
初期費用0円
支払方法クレジットカード
口座振替
コンビニ払い
解約費用0円

オクトパスエナジーは、もともとイギリス発の電力会社で、2021年に東京ガスと合弁でTGオクトパスエナジー株式会社が提供する新電力サービスです。

オクトパスエナジーがおすすめな理由
  • 月額料金が安い
  • 実質再生可能エネルギー100%
  • サポート体制が評判が良い

オクトパスエナジーは、実質再生可能エネルギーを100%使用しながらも新電力で最安値クラスです。

\料金が安い/

従量電灯でよくある質問

従量電灯で、よくある質問をお答えします。

従量電灯については、電力自由化以降に誤った言葉の使われ方をされているケースも散見され、非常にわかりにくくなっています。

同じ従量電灯という名称のプランでも、エリアや提供する会社によって、内容や契約対象者が異なります。

回答を読んでも解決できない場合、従量電灯を提供する会社へ、直接問い合わせましょう。

従量電灯とは?
従量電灯は、大手電力会社10社が電力自由化前から提供する、標準家庭向けの電気料金プランを指す場合が多いです。電気を使う量によって、電気料金の単価が3段階のいずれかに決まります。昔ながらのシンプルなプランで、セット割引やポイント付与の対象外です。
>> 従量電灯の特徴を見る
従量電灯Bと従量電灯Cの違いは?
従量電灯BとCの違いは、家庭内で同時に使える電流の最大容量(アンペア数)です。例えば、北海道・東北・東京・北陸・中部・九州電力エリアなら、10~60A契約したい場合は従量電灯Bを選びます。同じ契約アンペアでも、エリアによってアルファベットが異なるため注意しましょう。
>> 従量電灯B・Cの違いを見る
従量電灯Aと従量電灯Bはどっちが安い?
従量電灯AとBは、家庭内で同時に使える電流の最大容量(アンペア数)が大きく違うため、料金ではなく契約対象が異なります。同時に使いたい家電からアンペア数を割り出して選びましょう。関西・中国・四国電力エリアの一般家庭なら従量電灯A、戸建て・大型住宅やオール電化住宅などは従量電灯Bを目安に選びましょう。
>> 従量電灯A・Bの違いを見る
東電の従量電灯BとスタンダードSの違いは?
同じ東京電力の10~60A向けプランでも、従量電灯BとスタンダードSは規制料金か自由料金かの違いがあります。規制料金の従量電灯Bは、燃料調整費の上限がある一方でセット割引やポイント付与の対象外です。燃料調整費が下がった現在は、従量電灯BよりスタンダードSが、セット割引やポイント付与の対象となる分お得です。
>> 規制料金と自由料金を見る
従量電灯でおすすめの電気料金プランは?
大手電力会社の従量電灯に類似する電気料金プランを選ぶなら、東京電力エリアの場合はCDエナジーダイレクト、その他エリアはオクトパスエナジーがお得です。電気を使う量が同じなら、関西電力を除く大手電力会社の従量電灯より、電気代が下がります。
>> おすすめの従量電灯プランを見る

まとめ

最後に、従量電灯をおさらいしましょう。

  • 従量電灯は、東電などの大手電力会社が提供する標準的な電気料金プラン
  • 東電や多くの地域は、従量電灯B・Cが基本
  • 関西・中国・四国電力は従量電灯A・Bが基本

従量電灯は、主に東京電力や関西電力などの大手電力会社が、従来から提供する標準的な電気料金プランです。

従量電灯BとCやAとBの違いで悩む人が多いですが、使いたい契約アンペア数によって契約できるプランが異なります。

一般家庭なら10~60Aで十分な場合が多く、関西・中国・四国電力エリアは従量電灯A、その他地域なら従量電灯Bが該当します。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。