再エネ賦課金とは?簡単に解説

再エネ賦課金とは?

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「再エネ賦課金って何?」
「いくら値上げされた?」
「再エネ賦課金を払わなくていい方法は?」

電気料金の明細を見ると、再生可能エネルギー促進賦課金という項目が気になりますよね。

柴田 今日子
柴田 今日子

再エネ賦課金は、再生可能エネルギーによる発電を普及させるため国が設けた制度です。

この記事は、再生可能エネルギー促進賦課金を解説します。

具体的な金額や、何に使われているのかも解説しているので、ぜひ参考にしてください。

再エネ賦課金とは?

再エネ賦課金とは再エネ電力を普及させるため電気利用者全員で負担する金額

再エネ賦課金は「再生可能エネルギー促進賦課金」の略称で、太陽光や風力発電などの再エネ電力普及のため、電気利用者全員で負担する金額です。。

全国一律の再エネ賦課金単価に、各家庭の電力使用量(kWh)を掛けた金額が、電気料金とあわせて月に一度請求されます。

年に一度、経済産業省が金額を制定していて、2023年度の再エネ賦課金単価は1.40円/kWh、2024年度は3.49円/kWh、2025年度は3.98円/kWhです。

どの電力会社やプランを契約しても、再エネ賦課金を必ず払う必要があるので、電気の税金のようなイメージですね。

再生可能エネルギーとは?

再生可能エネルギーとは、太陽光・風力・地熱・バイオマス・水力発電など、自然環境に存在して枯渇しないエネルギー源を指します。派生して、再生可能エネルギーを活用した発電や発電された電力自体も、「再エネ」や「再エネ電力」などと呼ばれます。

再エネ賦課金の仕組みを解説

再エネ賦課金(さいえねふかきん)は、太陽光発電や風力発電を始めとした再生可能エネルギーによる発電を普及させるため、2012年に国が始めた施策です。

電気をたくさん使う家庭ほど、再エネ賦課金の支払額も大きくなります。

脱炭素社会の実現へ向けた取り組みですが、本当に地球の環境保全につながる施策となっているか疑問視される部分や、国民の経済的な負担増から賛否両論あります。

再エネ賦課金の読み方は?

再エネ賦課金は、「さいえねふかきん」と読み、正式名称は「再生可能エネルギー促進賦課金(さいせいかのうエネルギーそくしんふかきん)」です。

太陽光や風力発電などを代表する再エネ電力を普及させる目的のため、経済産業省が主体となり、2012年から電気を使用する全ての人に再エネ賦課金が課されています。

再エネ賦課金の計算方法は単価と使用量の掛け算

再エネ賦課金
年度別一覧
1kWhあたりの
再エネ賦課金
2025年4月~3.98円
2024年4月~3.49円
2023年4月~1.40円

一般家庭が1ヶ月に支払う再エネ賦課金の金額は、その年の再エネ賦課金単価と該当月の電力使用量(kWh)の掛け算で決まります。

例えば、2025年の再エネ賦課金は3.98円/kWhなので、月に500kWhの電力を使うと3.98×500=1,990円が再エネ賦課金として請求されます。

電気をたくさん使う家庭ほど、再エネ賦課金の負担額が大きくなる仕組みです。

再エネ賦課金のメリットデメリット

再エネ賦課金内容
メリット・CO2排出量の削減につながる
・化石燃料への依存度が低下する
・売電利益を得た企業や家庭がある
デメリット・一般家庭や企業の負担増

再生可能エネルギーによる発電が普及すると、CO2の排出を伴う発電を減らせるため、化石燃料への依存度が低下してCO2排出量も削減できるのがメリットだと言われます。

また、早期に太陽光パネルを設置して余剰電力の売電に取り組んだ企業や家庭は、FIT制度による経済的な利益を得られました。

一方で、再エネ賦課金の導入や太陽光発電の普及が本当に地球環境の保全に繋がるか疑問視する声や、経済的な負担に苦しむ声もあります。

太陽光パネルを処分すると、環境に悪影響では?再エネを導入していない家庭も負担するのは、不公平では?など、否定的な声も多いです。

環境問題としてだけでなく、政治的な側面でも、再エネ賦課金に関して賛否両論が大きく分かれています。

再エネ賦課金はFIT制度で使われている

経済産業省の試算FIT買取費用総額
2030年度最大4.9兆円(見込)
2019年度約3.6兆円

一般消費者が支払った再エネ賦課金は、電力会社から国に納められ、主にFIT制度の買い取り費用として使われています。

FIT制度開始時は、高額な売電価格によって経済的利益を得た企業や家庭が、多数ありました。

再エネの急速な普及につれて、再エネ賦課金の総額を買取総額が上回ってしまい、再エネ賦課金は増額傾向にあるなかで買い取り金額は減少しています。

FIT制度とは?

太陽光発電の場合売電価格買電価格
FIT期間中約42円約28円
卒FIT後約10円約30円

FIT制度は、固定価格買取制度の略で、太陽光発電や風力発電など再生可能エネルギーで発電された電気を電力会社が10年間一定価格(当初は42円)で買い取ると国が約束した制度です。

代表的なのが、一般家庭の太陽光発電による余剰電力を、電力会社が買い取る仕組みです。

制度開始の2012年は、1kWhあたり42円の高値で買い取られたため、早期に太陽光パネルを設置した人に大きな利益をもたらしました。

10年間経過すると卒FITと呼ばれ、買取価格が保証されなくなり、2025年現在だと約10円ほどで買い取られています。

売電価格が年々減額され、電力会社が一般家庭に電力供給するときの買電価格が増額したため、今後は太陽光パネルを設置しても売らずに自家消費するのがお得です。

卒FITとは?

卒FITとは、FIT制度(固定価格買取制度)の買取期間満了を迎える状態を言います。住宅用太陽光発電のFIT制度では、10年間の買取期間が設けられています。卒FIT後も売電できますが、買取価格が大幅に減少するため、売電収入は減少します。

太陽光発電の売電価格は減少

一般家庭
太陽光発電
FIT買取/売電単価
(10kW未満・出力制御対応機器設置の場合)
2012年度
(初年度)
42円
2015年度35円
2018年度28円
2021年度19円
2024年度16円
2025年度
上半期
15円

卒FITを迎えるまでの買い取り期間中、毎年のように売電単価は減少し、制度設立時の42円から15円まで低下しました。

太陽光発電を設置した場合、電力会社からの買電量が減るため再エネ賦課金の負担を抑えられますが、余剰電力を売って収支がプラスになるケースは稀です。

再エネ賦課金はいつまで払う?

再エネ賦課金をいつまで負担する必要があるか、公式な発表はありません。

再エネ電力の普及に伴い、買取総額が再エネ賦課金の総額を上回っているため、今後再エネ賦課金が増額する可能性が高いです。

電力会社から買電する以上、再エネ賦課金を払う必要があるため、負担を減らすには節電や蓄電池の設置が必要です。

電気を使う以上、再エネ賦課金から逃れられないため、ステルス増税とも言われて社会問題化しています。

再エネ賦課金でよくある質問

再エネ賦課金に関する、よくある質問をお答えします。

再エネ賦課金は、環境保全や政治の観点からさまざまな意見が交わされていて、解決すべき課題も山積みという状況です。

回答を参考に、再エネ賦課金に対する理解を深めてください。

再エネ賦課金の読み方は?
再エネ賦課金は、「さいえねふかきん」と読みます。正式名称は、「再生可能エネルギー促進賦課金」です。再生可能エネルギーの普及を目的とし、電気を使う全ての人に課せられる、いわば電気の税金です。
>> 再エネ賦課金の読み方を見る
再エネ賦課金はいくら払う?
再エネ賦課金は、電力を使用した年度の再エネ賦課金単価とひと月の電力使用量(kWh)の掛け算で決まります。2025年度の再エネ賦課金単価は3.98円なので、300kWhの電気を使った月は、3.98×300=1,194円です。電気をたくさん使うほど負担額が大きくなります。
>> 再エネ賦課金の計算方法を見る
再エネ賦課金は何に使われる?
再生可能エネルギー促進賦課金は、主に再エネ発電の普及を目的として使われ、例えば太陽光発電の余剰電力の買い取りなどに使われています。
>> 再エネ賦課金はFIT制度で使われるを見る
再エネ賦課金を払わない方法は?
再エネ賦課金は、電力を使う全ての人に支払いが課せられていて、再エネ賦課金を払わず生活するには買電しない以外ありません。太陽光発電の設置&蓄電池の購入、あるいは節電によって電力使用量を減らせば、再エネ賦課金の支払額を抑えられます。
>> 再エネ賦課金はいつまで払うかを見る
再エネ賦課金のデメリットは?
再エネ賦課金のデメリットは、国民への経済的な負担です。特に、電力使用量の多い家庭ほど負担額が大きい点で、不公平さを感じる声もあります。また、太陽光発電の普及が課題解決につながるかは、議論の余地を残しています。
>> 再エネ賦課金のデメリットを見る

まとめ

最後に、再エネ賦課金をおさらいしましょう。

  • 再エネ賦課金は、再生可能エネルギーによる発電を普及させるための費用
  • 再エネ賦課金単価×月の電力使用量が電気代とあわせて請求される
  • 再エネ普及に伴い増額の可能性がある

再エネ賦課金は、太陽光発電や風力発電など、再生可能エネルギーによる発電を普及させるための費用です。

1kWhあたりの金額が経済産業省によって毎年設定され、各月の電力使用量と掛けた金額を電気代とあわせて払う必要があり、主に太陽光発電の余剰電力を売電する企業や一般家庭への買い取り費用にあてられています。

太陽光発電などの増加に伴い、今後ますます再エネ賦課金が上がると予想されており、再エネ賦課金の負担から逃れるには節電が必要です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。